
今回は『方形屋根(ほうぎょうやね)』の特徴、メリット・デメリットについて紹介したいと思います。
■方形屋根(ほうぎょうやね)とは?
『方形屋根(ほうぎょうやね)』は4方向に傾斜面がある屋根です。
『寄棟屋根』と構造は似ていますが、異なる点として、大棟がなく四角錐上に屋根が設置されていることです。
ピラミッド型の屋根と説明するとイメージしやすいかもしれません。
お寺や神社に多い屋根形状です。
■方形屋根のメリット
構造が寄棟屋根と似ているため、メリットとして挙げられる点もほぼ同じです。
まず、方形屋根は屋根の頂上が点で構成されているため、四方に雨風を分散させることができ、寄棟屋根よりも均等に雨風の負担を分散できます。
構造として、四方全ての外壁をカバーすることができるため、雨や太陽の光を遮断しやすくなり、建物の外壁を長く健康に保つことができます。
また、風への耐久性も高いため、お住まいの地域の気候がどのような環境であっても向いている屋根形状です。
シンプルな形状で、高さが抑えられることにより、土地の規制にも対応しやすい屋根形状となっています。
狭小住宅にもフィットしたり、建築基準法における隣接地や、北側斜線制限にも対応しやすいです。
また、街中ではあまり見ない形なので人目を引きやすく、目立ちやすいです。
建物自体を目立たせたいという方には良いかもしれません。
■方形屋根のデメリット
デメリットとしては、こちらも寄棟屋根同様、屋根面積が広くなりがちになってしまうため、使用する屋根材が増えてしまい、複雑な作業も必要となってしまうため、コストが高くなり、工期も長くなる傾向があります。
寄棟屋根よりもつなぎ目が多く、屋根の頭頂部分はつなぎ目が交差する形になるため、雨漏りのリスクも高いです。
部分の劣化は雨漏りに直結するため、定期的な点検やメンテナンスが必要になるでしょう。
ソーラーパネルが設置しにくいという点も挙げられます。
屋根を4枚に分けているため、1枚1枚の面積が小さくなることと、ソーラーパネルの形が長方形でできていることに対し、方形屋根は三角形を組み合わせた屋根のため、屋根全面に設置をすることができません。
ソーラーパネルを検討している方には、あまりおすすめできない屋根形状です。
また、方形屋根は他の屋根形状に比べて、屋根裏スペースが小さくなってしまうため、有効活用がしづらいです。
ですので、屋根裏収納やロフト部屋を作りたいという方には不向きです。
以上が『方形屋根』の紹介でした。
次回は『入母屋屋根(いりおもややね)』について紹介したいと思います。
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