
今回は鉄骨造の『鉄骨軸組工法』について紹介したいと思います。
まずは『鉄骨造』からの解説です。
■鉄骨造
『鉄骨造』とは建築物の軀体に鉄製や鋼製の部材を用いる建築の構造のことです。
S造やS構造と呼ばれることもあります。
鋼材の厚みによって軽量鉄骨と重量鉄骨に分けられます。
次に『鉄骨軸組工法』の解説です。
■鉄骨軸組工法
『木造軸組工法(在来工法)』と同じように鉄製の柱や梁、筋交いを用いて骨組みを造る構造です。
『ブレース構造』とも呼ばれています。
一般的に軽量鉄骨が使用され、一般住宅だけはなく賃貸アパートの建築などにも採用されることがある工法です。
メリットとしては木材に比べ強度が高く、鉄筋コンクリートに比べて単位重量が軽いので、長い梁に利用でき柱のスパンが広いため、柱の本数が少なくすみます。
部材の品質のばらつきも少なく、性能が安定しています。
木材だとどうしても部位によって品質差が出てしまいますが、鉄骨は金属でできているので、一定の品質になります。
『木造軸組工法(在来工法)』と同じく開口部を作りやすいです。
筋交いのある耐力壁の配置によって、比較的広く窓やドアなどをあけることができます。
また、木造よりシロアリ被害が少なくすみます。
というのも、シロアリはやわらかい木材をエサとして好み木材を食べますが、固形金属やガラスなどは固くて食べられないためです。
絶対に被害がない、とは言い切れませんが木造住宅よりは被害が少なくすみます。
次にデメリットですが、木造に比べて建築費用が高い点が挙げられます。
鉄骨造りは頑丈であるため、どうしても木造と比べると加工に手間がかかってしまい、費用が高くなってしまいます。
新築で建てる際はもちろん、リフォーム費用も高くなってしまう可能性もあります。
木造より鉄骨のが火事に強いと誤解をされがちですが、火に弱いです。
鉄骨は摂氏550℃程度で急激に強度が失われるので、一気に建物が崩壊する危険性もあります。
そのため防火対策が必須になります。
また、鉄骨は濡れたままの状態にしておくと簡単に錆びてしまい、強度が下がってしまうので防錆対策も必要になってきます。
そして木造に比べて断熱性が低いです。
木材に比べて鋼材の熱伝導率が非常に高く、熱伝導率が高いほど外の熱が伝わりやすく、中の熱は逃げやすくなってしまいます。
そのため夏は暑く冬は寒い、といった風になってしまい光熱費なども高くなってしまう可能性があります。
以上が『鉄骨軸組工法』の紹介でした。
次回は『鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)』について紹介したいと思います。
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